相性
鳥との出会いでも相性と言うものがあるらしい。
私が野鳥の会静岡支部で一躍話題になったのは安倍川で偶然サンカノゴイを撮影した事によります。その頃私は安倍川でカワセミの撮影をしていて、その日も朝早くからブラインドに入ってカワセミを待っていました。狙いのカワセミはなかなか現れず、今日はもうあきらめかな、と思った時、20m程手前の草むらで何かが動きました。それは草の中をゆっくりと移動してきました。この辺に肉食の獣が居るとは思えなかったのですが、草の中を這うように進んでくる物は、獲物に忍び寄るヒョウの様に見えました。それが徐々にこちらに近付いてくると、見えない恐怖で鳥肌が立ちました。 草が薄くなるにつれ、その正体が鳥である事が分かって来ました。でも、こんな鳥、見た事も無い。サギは私の写真のモデルとして大事な被写体なので、図鑑でもサギの所はよく見ていた。サンカノゴイの名前も頭の中には入っていて、これがサンカノゴイだと言う事は意外と早く理解できた。しかし、それがどれ位珍しい鳥であるか、までは分からなかった。
知り合ってまだ間もない「めるへん」へ、写真を持って鑑定をしてもらいに行った。写真を見るまでは信用していなかった(多分?)マスターや、「野鳥マスター」も、写真を見て納得してくれた。この写真(一番上の写真)は静岡新聞にもカラーで採り上げてもらい、私も鳥界で一躍有名になってしまった(多分?)。
その後も、私が安倍川へ撮影に行くとサンカノゴイはほとんど毎回表れたが、「めるへんマスター」や「野鳥マスター」が行ってもなかなか見る事が出来なかったようだ。
数年後、麻機にサンカノゴイが表れた時にも、その辺りに居た人達にも連絡して、「サンカノゴイがさっき、その辺に出たんだよ」なんて、指で出た辺りを指し示したら偶然そこにサンカノゴイが出て来た事もありました。 今年の麻機でのガンカモカウント調査の時にも、何か予感めいたものを感じた時、サンカノゴイを見つけました。
これとは逆に縁のない鳥もあります。皆が何の苦労も無く目の前で見たよ!なんて鳥を、どうしても見られない。見つけられない時の口惜しさと情けなさは、なかなか言い表せないものがありますね。特に自分がフィールドにしている所で、皆が見ているのに自分だけ見ていないなんて事は、口惜しさを通り越えて、腹立たしいんですよね。
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