ハヤブサ
現地に着くと海からの靄(もや)で霞(かす)んでいる。
空も曇っていて青空は見えない。
アオバトが出て来てもこれでは絵にならない。
それでもしばらく待ったが、一向に気配すら無い。
もう充分待った。帰ろうと決めた時、アオバトが15羽程飛んで来た。
反対側からも10羽程飛んで来た。
そのアオバトが沖のテトラに降りた時、それはやって来た。
それに気付いた時には私もこのアオバトと同じだった。

手遅れだ!
襲撃者はもうすぐ後ろに迫っている。
私はただ慌ててカメラを構えてシャッターを切るだけ。
鳥達の気持ちを忖度するとどうしても弱い側の立場になる。
尻尾を掴まれたが尾羽をとられただけで体は落ちた。
下はトリミング無し。カメラからはこの距離間。ハヤブサとアオバトもこの距離。
アオバトは海に落ちる寸前に飛び出した。
ハヤブサは一旦上昇して反転、急降下で突っ込む
此処で付いて行けずハヤブサを見失う。見付けた時には二回目のアタックの寸前。
ピントが間に合わない。両足を前に突き出し両足を大きく広げる。つかんでいた尾羽が飛び散りる。
此処でアオバトの翼をガッチリ掴む。
私も焦っていてピントをオートに任せるか、マニアルで行くか決めかねて迷っている。
フォーカスボタンから指が離れないからマニアルで合わせてもオートに引っ張られピントがすぐ後ろへ行ってしまう。
ハヤブサは獲物をしっかり掴みなおした。
見ている私はどうしても捕まってしまったアオバトがかわいそうだと思う。
しかし、ハヤブサにも生きて行く為には必要な行為。
ハヤブサにもお腹を空かしてお父さん、お母さんの帰りを待っている子供がいるかもしれない。
今回は最初のカットから最後まで約17秒。撮影コマ数102コマ。その中からの14コマ。迷っている時間が長く、ピンボケばかりを生んだ。
ニコンD500 タムロン100-400mmF/4.5-6.3 Di VC USD(400mm) 絞りF8 1/1000秒 ISO800 (白地署名はトリミングあり)2020年6月27日 静岡市
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