麻機の野鳥 38
コチドリ Little Ringed Plover
Charadrius dubius
チドリ目 チドリ科
全長:14-17cm 翼開長:42-48cm
夏鳥として3月の終わりから4月の上旬に麻機に渡って来て、繁殖する。
目の周りの黄色いアイリングが目立つ。
『ピォ、ピォ』『ピピピピピ』などとよく通る声で鳴く。
水辺に近い、小石が多い開けた場所で繁殖する。
尾羽を広げるこの行動を初めて見た時には巣に近付いた他所のコチドリを威嚇していると思いましたが、見ている内にそれは違う事に気付きました。オスかメスかは分かりませんが、パートナーに此処は巣にどうかとアピールしている様です。その証拠にやがて二羽はお互いの体を摺り寄せ、順番にそこにしゃがみ込んで具合を確かめている様でした。ここで卵を産んだかどうか、そこまでは確認していません。
巣を作る場所を探していたのでしょうか、一羽のコチドリが降りた所には、運悪くケリのヒナが居ました。ヒナと言っても大きさはコチドリとあまり変わりません。
案の定、ケリの親鳥が『こどもに近付くな!』とスゴイ剣幕で飛んで来ました。
巣は、周りの小石を気持ち並べたり、産座には周りの枯草を申し訳程度に敷いて簡単な巣を作る。
巣は周りの環境にうまく溶け込んで、卵も孵ったヒナも周りの小石と区別がつかない程の保護色になっている。
私たちが知らずに巣やヒナに近付くと、親鳥は巣やヒナを守るために、傷付いて上手く動けない様な行動(偽傷)をする事があります。この様な行動が見られたらそれ以上進む事を止めて、そっと引き返す事をお勧めします。
車で遊水地をゆっくりと流していて運良くコチドリのヒナを見付けました。たまたま水辺に出ていたので見つける事が出来ました。
シギ・チドリ類の撮影はほとんど車の中からになります。
まだ小さなヒナはすぐに体温が下がってしまいます。時々親鳥の翼の中で暖めてもらいます。親子をあまり長い時間追い回すとヒナを危険な状態に追い込んでしまいます。撮影観察はなるべく短時間で。
そしてある程度離れてから親鳥の行動をそっと見ていましょう。
貴方のやさしさに報いる物が見られるかもしれません。
今年巣立った若いコチドリ。目の周りの黄色いアイリングもそんなに目立たない。
その後もやさしさの信頼を裏切る事の無いようにお願いします。
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